ラボグロウンダイヤモンド

デビアスがラボグロウンダイヤモンド販売を開始した理由とは?ダイヤモンド業界の現状を解説

ダイヤモンドをメインに取り扱うブランドとして、世界的に有名な企業の一つがデビアス(DE BEERS)社です。天然ダイヤモンド市場でこれまで圧倒的なシェア率を誇ってきたデビアスグループですが、ついに「ライトボックス・ジュエリー(Lightbox Jewelry)」というラボグロウンダイヤモンド販売に特化した新会社、そして新ブランドを立ち上げました。そこで今回は、デビアスグループがラボグロウンダイヤモンドの販売に乗り出した理由についてまとめていきたいと思います

目次

ダイヤモンド業界最大手のデビアス社とは?

デビアス社の創業は1888年
デビアスの商品はハイクラス

デビアス社と人工ダイヤモンドの関係性

「デビアスがラボグロウンダイヤモンドを認めた理由」

ラボグロウンダイヤモンドは無視できない存在
デビアスの狙いとは一体?

新ブランド「ライトボックス」の概要

販売される商品の価格帯は?
他社との比較

「今後のライトボックスはどう展開される?」

ダイヤモンド業界最大手のデビアス社とは?

デビアス(DE BEERS)社は、南アフリカ共和国ヨハネスブルグに本社を置く企業です。ダイヤモンドに関するビジネスを幅広く展開しており、採鉱から加工、販売まで一手に行っている世界規模のグループ企業になります。日本では「ダイヤモンドは永遠の輝き」というテレビコマーシャルで一躍有名になりました。英語では「a diamond is forever」として知られています。

デビアス社の創業は1888年

デビアス社は、創業当初からダイヤモンドの採掘をメイン事業としており、2018年現在でも、主要なビジネスは変わらず採掘事業です。1939年には「4C」というダイヤモンドのグレーディング方法を考案しました。これは4つのC(カラー・クラリティ・カラット・カット)でダイヤモンドの品質や価値を客観的にはかるための画期的な指標です。「4C」は、その後も世界中でずっと使われ続けています。

2001年には、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)社と合弁会社「De Beers Diamond Jewellers」を設立しましたが、2017年にはLVMH社の保有する株式を買い戻し、完全子会社化するに至っています。合弁会社を設立するまでメイン事業は採掘事業でしたが、この頃から商品の製造販売も手がけるようになり、2002年にはロンドンに第一号店をオープンしました。以降、世界30か国以上で店舗展開し、装飾性の高いダイヤモンドのハイクラスジュエリーを販売しています。

デビアスの商品はハイクラス

デビアスのラインナップの中でも、最も高価なものは「フォーエバーマーク」です。4Cの基準以上の厳格な基準を満たすダイヤモンドだけが使われており、世界中のダイヤモンドの中で1%にも満たないという非常に貴重なものです。デビアスの商品は、ダイヤモンド商品のなかでも特別なクラス感を持つもので、ひとつのステータスにもなっています。

デビアス社と人工ダイヤモンドの関係性

デビアスは、創業から一貫して天然ダイヤモンドのみを扱ってきました。世界中のダイヤモンド鉱山を探索し、ダイヤ採掘を130年以上行ってきた企業です。ダイヤモンドは鉱石で天然資源のひとつなので、ほかの鉱物と同じように、採掘するのが当たり前のものでした。しかし、ダイヤモンド鉱山での様々な問題からダイヤモンドの発掘は世界中からに問題視されるようになりました。たとえば、ダイヤモンドは地中の奥深くに埋まっているので、掘り出すには大地を大きく削り取らなければなりません。また、採掘に関しては、労働者の過酷な労働環境も深刻な問題となっています。さらに、希少価値があるダイヤモンドは市場において高値で取引されるため、紛争地域で武器購入の資金源になっていることも社会的な問題となりました。こうした流れを受けて、消費者のなかにコンフリクトフリー(紛争と無関係の出自が確かな)ダイヤ、エコフレンドリー(環境に優しい)ダイヤを求める動きが高まっていったのです。

このような中でも、デビアスは天然ダイヤモンドのリーディングカンパニーとして、ラボグロウンダイヤモンドを人工ダイヤモンドとし、ラボグロウンダイヤモンドに関しては、ずっと批判的な態度を取り続けてきました。しかし、市場規模が年々拡大していくなかで、ついに、ラボグロウンダイヤモンドを本物のダイヤモンドと認め、市場参入を決めました。もっとも、天然ダイヤモンドと人工ダイヤモンドを差別化する方針は変わっていません。あくまで、ラボグロウンダイヤモンドを本物のダイヤモンドと認めたにすぎず、これからもデビアス社は人工ダイヤモンドは取り扱わないでしょう。

「デビアスがラボグロウンダイヤモンドを認めた理由」

デビアスは、天然ダイヤモンドをずっと供給し続けてきたわけですが、2018年5月にはついに、ラボグロウンダイヤモンドの新ブランドを立ち上げることを発表しました。

ラボグロウンダイヤモンドは無視できない存在

2018年からラボグロウンダイヤモンドを販売する「ライトボックス」というブランドでは、ピンク、ブルー、ホワイトのダイヤモンドを商品として扱います。この転換には、ラボグロウンダイヤモンドに対する一般消費者のニーズの高まりが大きく影響しています。

Bruce leaver CEOは「(ラボグロウンダイヤモンドのような)手ごろなファッションジュエリーは永遠ではないかもしれない。しかし、今のところ完璧(perfect)だ」としています。天然ダイヤモンドを長年扱ってきた企業がパーフェクトと認めざるをえないほど、ラボグロウンダイヤモンドは品質が高く、市場のニーズも高いのだということがわかります。

デビアスの狙いとは一体?

ハイブランドだったデビアスも「ライトボックス」シリーズをリリースすることで、高価なジュエリーを購入しない層もターゲットとするのが狙いです。デビアスにとって「ライトボックス」事業は、天然ダイヤモンドよりは小さなビジネスではあるものの、消費者のニーズに応え、企業のビジネスチャンスを広げるものだとしています。さらに、デビアスがラボグロウンダイヤモンド業界に参入することで、天然ダイヤモンドとはどのように違うのか、どのような価値があるのかといった業界内の様々な問題の解決に一役買いたいとも言っています。また、デビアスは採掘だけでなく、広くダイヤモンド技術のパイオニア的存在であり、技術開発という点でも人工ダイヤに多大な関心を寄せているようです。

新ブランド「ライトボックス」の概要

「ライトボックス」シリーズは豊富なデザインとカラーを特徴としており、手頃な値段で販売される商品を取り揃えています。まず、アメリカで先行ネット販売が実施され、順次一部の店舗で購入可能になる予定です。市場の反応を見ながら、徐々に販路が拡大されていくことが予想されます。

販売される商品の価格帯は?

ラボグロウンダイヤモンドを使ったデビアス初の商品は、0.25カラットで200ドル、1カラット800ドル程度で市場に提供される見込みです(実際の販売価格は、これに流通コストなどが上乗せされた金額になります)。

他社との比較

ラボグロウンダイヤモンドを製造している企業としてはDiamond Foundry社などもあり、天然ダイヤモンドよりも30%~40%安い価格で提供しています。しかし「ライトボックス」はそれを大幅に下回る低価格であるため、今後の市場での反応に注目が集まっています。デビアスが人工ダイヤ製品をかなり安く提供する背景には、天然ダイヤモンドと人工ダイヤの区別がつきにくいという消費者側の混乱を解消する狙いもあるようです。

「今後のライトボックスはどう展開される?」

「ライトボックス」は、ピンク、ブルー、ホワイトの3色展開で、0.2カラット以上のすべての商品には、ダイヤモンドの中に「ライトボックス」というロゴが入ることになっています。肉眼では見えないくらいの小さなロゴですが、顕微鏡で見れば天然ダイヤモンドとは簡単に識別できるようになっているのが特徴です。また、こうしたものを利用することで、デビアス社の商品であることもわかるようになっているという仕組みです。ラボグロウンダイヤモンドを製造販売する企業は他にも数社あるため、そうした他社製品とは明確に区別できるようにしておきたいという狙いがあるようです。

デビアス社は、今後もラボグロウンダイヤモンド部門を拡大する予定で、4年間で9,400万ドルの投資を計画しています。すでにイギリスのオックスフォード郊外にラボグロウンダイヤモンドの生産拠点を持っていますが、さらにオレゴン州ポートランドにも生産拠点を追加建設する予定です。この施設が本稼働すれば、年間50万カラット以上のダイヤ原石の生産が可能になる見込みです。ダイヤモンド業界を牽引する大企業が本格参入することで、今後ラボグロウンダイヤモンド業界がどのように動いていくのかが注目されるでしょう。

注目ランキング

RELATED
PURE DIAMOND COINS