ラボグロウンダイヤモンド

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いは?特徴を調べてみました

ラボグロウンダイヤモンドと言うと、天然ダイヤモンドではなく、模倣ダイヤモンドや人工ダイヤモンドといった、決して本物のダイヤモンドではないと言われることがよくあります。しかし、ラボグロウンダイヤモンドは本物の輝きを放つ、正真正銘のダイヤモンドです。むしろ、天然ダイヤモンドよりも魅力があるダイヤモンドとして、価値が認められつつあります。ここでは、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いと特徴について見ていきたいと思います。

目次

「同じダイヤモンドでも化学組成が異なる」

ラボグロウンダイヤモンドとは
ラボグロウンダイヤモンドの化学組成

「生成されるプロセス及び環境が異なる」

天然ダイヤモンドの生成プロセス
ラボグロウンダイヤモンドの生成プロセス

「ダイヤモンドによって鑑定書の種類が異なる」

GIAの鑑定基準とは
天然ダイヤモンドとの鑑定書の違い

「どちらのダイヤモンドのほうが高いのか?」

ラボグロウンダイヤモンドの付加価値

「ラボグロウンダイヤモンドに込められた期待」

天然ダイヤモンドの問題点
ラボグロウンダイヤモンドの欠点

「ラボグロウンダイヤモンドの未来」

「同じダイヤモンドでも化学組成が異なる」

ラボグロウンダイヤモンドがどれほど天然ダイヤモンドに近いものなのかを知るためには、まずその成り立ちや化学組成の違いから学ぶ必要があります。そもそもラボグロウンダイヤモンドとは、どのようなダイヤモンドのことをいうのでしょうか。

ラボグロウンダイヤモンドとは

ラボグロウンダイヤモンドは「lab-grown diamond」と表記されます。「lab(研究室)でgrown(育てられた)diamond(ダイヤモンド)」という意味です。つまり、研究所で生成されたイヤモンドのことです。とはいえ、模造ダイヤモンドや合成ダイヤモンド、人工ダイヤモンドとは全く異なります。

そもそも、模造ダイヤモンドとはガラスやプラスチックなど、本物のダイヤモンドとは違う素材のものです。また、合成ダイヤモンドは2種類以上の元素からつくられた化合物。そして、人工ダイヤモンドとも定義されません。一方、ラボグロウンダイヤモンドは鉱山で採掘される天然ダイヤモンドと全く同じ性質を持っています。

ラボグロウンダイヤモンドの化学組成

ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと全く同じ化学組成です。そのため、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドは、研究所で生成されたダイヤモンドなのか、鉱山から採掘されたダイヤモンドなのかという違いしかありません。どちらも同じ物質であることは、科学的な調査や研究によって明らかにされています。

「生成されるプロセス及び環境が異なる」

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドは、化学組成は全く同じものですが、生成プロセスに違いがあります。ここでは、それぞれの生成プロセスを説明します。

天然ダイヤモンドの生成プロセス

天然のダイヤモンドは、炭素が高熱と高圧力により四面体状になった炭素の塊のことです。地上から160キロ以上も深い場所で形成され、火山噴火によって地表近くまで押し上げられます。ダイヤモンドが押し上げられる際には、時速約40キロという高速で地表まで上がっていきます。そのような過程を経て地表まで到達したダイヤモンドを採掘したものが、市場に出回っている天然ダイヤモンドなのです。

ラボグロウンダイヤモンドの生成プロセス

ラボグロウンダイヤモンドの生成プロセスは2種類あります。1つはHPHT法といわれる方法で、装置にダイヤモンド粉末が入ったカプセルを入れて、高圧力をかけることによって生成する方法です。カプセル内のダイヤモンド粉末が溶剤に溶け、結晶化することでダイヤモンド結晶がつくられます。

もう1つの方法は、CVD法と呼ばれる方法です。CVDとは「化学蒸着」という意味で、真空装置の内部でメタンガスなどの炭素含有ガスからダイヤモンドを生成します。さらに、生成されたダイヤモンドを低圧、高温で処理するLPHT法を行うことで、色を変化させることも可能です。

「ダイヤモンドによって鑑定書の種類が異なる」

通常、人工ダイヤモンドには鑑定書を付けることができませんが、ラボグロウンダイヤモンドは正式にGIA(米国宝石学会)から本物のダイヤモンドであることが認められています。そのため、GIAから鑑定書を付けてもらうことができます。ただし、天然ダイヤの鑑定書とは少し違うものです。

GIAの鑑定基準とは

GIAは世界最大級の宝石学研究の非営利組織で、ダイヤモンドの品質認定を行っている機関です。ダイヤモンドの価値基準である4Cを考案したことでも知られています。4Cとは、ダイヤモンドの価値をカラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(プロポーションや角度)で決める方法です。それぞれの頭文字である「C」を取って「4C」と呼ばれています。鑑定書には4Cの基準による評価のほか、複数の鑑定士による鑑定結果が記されています。

天然ダイヤモンドとの鑑定書の違い

ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書は、基本的に天然ダイヤモンドのものと同じです。天然ダイヤと同じように厳しく鑑定されますが、カラーとクラリティの区分は天然ダイヤモンドの鑑定区分より少なくなっています。さらに、鑑定書は合成ダイヤモンドグレーディングレポートとして作成されるため、天然ダイヤモンドとは体裁が異なるものです。また、ラボグロウンダイヤモンドであることも鑑定書に記載されます。

「どちらのダイヤモンドのほうが高いのか?」

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの大きな違いは価格です。現在アメリカでは、ラボグロウンダイヤモンドが天然ダイヤモンドの半値くらいで取引されています。天然ダイヤモンドは、98%が不純物を含んでいるため、出回っているダイヤモンドの多くが純粋なダイヤモンドではありません。その中で、残り2%の純粋なダイヤモンドは高値で取引されているのです。一方、ラボグロウンダイヤモンドはすべてが純粋なダイヤモンドであり、不純物は一切含まれていません。天然ダイヤモンドよりも安いだけでなく、より高品質で美しいダイヤモンドだと言えます。

ラボグロウンダイヤモンドの付加価値

ラボグロウンダイヤモンドが登場したことで、ダイヤモンドの希少性が失われるわけではありません。また、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドには存在しないレインボーカラーや、天然では稀少なレッドも生成することができます。さらに、ラボグロウンダイヤモンドにブロックチェーン技術を連携させることで、ダイヤモンドの情報を確認できる仕組みも考えられています(ピュアダイヤモンドモンドブロックチェーンプロジェクト)。ブロックチェーンとは、仮想通貨に利用されている技術で、通貨の取引記録をネット上でやり取りできる技術のことです。この技術を使うことで、ダイヤモンドに記載された識別コードから鑑定情報がわかるようになり、盗難防止にもつながります。このように、ラボグロウンダイヤモンドは付加価値の付いたダイヤモンドとして、市場で高い評価を得る可能性があるのです。

 

「ラボグロウンダイヤモンドに込められた期待」

実は、天然ダイヤモンドには環境問題や紛争問題といった様々な問題点があります。一方、ラボグロウンダイヤモンドには、天然ダイヤモンドが抱えている問題点を解決できるという意味でも期待がかかっているようです。

天然ダイヤモンドの問題点

天然ダイヤモンドには以下のような問題点があります。

・ダイヤモンドの採掘による環境破壊
・ダイヤモンドを巡る紛争の勃発
・ダイヤモンド採掘現場での劣悪な労働環境
・産出量の減少

このような問題点を解決するには、ダイヤモンドを環境や紛争に影響を及ぼさず、安定して供給できるラボグロウンダイヤモンドの普及が有効であると考えられます。天然ダイヤモンドは、わずか1gを採掘するために膨大なエネルギーが必要です。しかも、市場に出回るまでのプロセスで、自然環境や労働環境など様々な問題点があります。そのような問題を解決できることが、ラボグロウンダイヤモンドには期待されているのです。

ラボグロウンダイヤモンドの欠点

ラボグロウンダイヤモンドには、明らかな欠点はありません。品質は天然ダイヤモンドと変わらず、しかも不純物が含まれることもないからです。さらに、天然ダイヤモンドでは希少とされるカラーダイヤモンドを生成することができ、将来的にはブロックチェーン技術と連携させることで付加価値を付けることも可能です。あえて欠点を挙げるとすれば、天然ダイヤモンドより安価なため、価値が低いとみなされてしまうことかもしれません。しかし、自然環境や労働環境の問題に関心がある人なら、天然ダイヤモンドより高い価値を見いだせるでしょう。

「ラボグロウンダイヤモンドの未来」

これまで「人工ダイヤモンド」と呼ばれるダイヤモンドは、天然ダイヤモンドとは品質の異なる合成ダイヤモンドでした。しかし、この記事で人工ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは明らかに異なることがおわかりいただけたかと思います。素晴らしい生成技術により、天然ダイヤモンドと同等あるいはそれ以上のダイヤモンドがつくれるようになったのです。さらに、天然ダイヤモンドにはない付加価値を付けることで、将来的にはダイヤモンド市場でも高い評価を受ける可能性があります。また、天然ダイヤモンドの問題点も解決することができ、未来のダイヤモンドとして普及することが期待されます。

「ラボグロウンダイヤモンドの未来」

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