ICO

ブロックチェーンがもたらす革新的な未来とは?

仮想通貨に用いられている技術で、特に注目されているものが「ブロックチェーン」です。 これは、改ざんが困難な認証技術として取引の信頼性を高めるものとして期待されています。 しかし、可能性はそれだけではないのです。

目次

ブロックチェーンとはなにか?

論点1:ブロックチェーンの社会的意義

インターネットの寡占状態
ブロックチェーンの可能性

論点2:ブロックチェーンのプロトコル

ブロックチェーンとアルゴリズム
ブロックチェーンとアルゴリズム ●不正を防止するインセンティブ

論点3:ブロックチェーンを使ったアプリケーション

スマートコントラクトとOSI参照モデル
取引を仲介する管理者手数料の問題
スマートコントラクトで手数料不要に

論点4:ブロックチェーンと革新的ビジネスの傾向性

ビットコイン継承モデル
ブロックチェーン拡張モデル
中央集権折衷モデル

ブロックチェーンを使った革新的サービス事例

●金融サービス
●ポイントサービス
●商品流通サービス
●愛情証明書発行サービス
●認証サービス

ブロックチェーンの可能性は無限?

ブロックチェーンとはなにか?

経済ニュースのトピックとして話題のテクノロジーがブロックチェーンです。

ブロックチェーンとは、取引記録の改ざんが困難かつ、参加者全員で取引履歴を共有する管理者不在のネットワークといえます。

このようなブロックチェーンの議論は、さまざまな側面から行われています。

技術的になりすぎると難解なものも多い傾向です。

しかし、主に「社会的意義」「プロトコル」「アプリケーション」「ビジネス」の4つのテーマに分けて考えると論点が整理できるでしょう。

論点1:ブロックチェーンの社会的意義

ブロックチェーンは仮想通貨以外に実装されている例が少なく、「仮想通貨のための技術」というイメージが先行している傾向です。

ところが、実際は社会のあり方を変えてしまうような、より根本的な人と人との関係を構築できるツールがブロックチェーンといえるのです。

ブロックチェーンの特徴は「非中央集権化(decentralization)」と端的に表現できます。

これに対立する概念は「中央集権化(centralization)」です。

インターネットの寡占状態

インターネットの世界は、通称テック・ジャイアンツ(Tech Giants)と呼ばれる巨大企業によって寡占状態にあります。

西欧世界ではGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字)が有名です。

中国では百度(Baidu)、阿里巴巴集団(Alibaba)、テンセント(Tencent)の頭文字をとったBATなどによって市場が占有されているのです。

これらの企業は、インターネットを介したサービスの管理者の立場にあります。

たとえば、SNSで友人と連絡をとる場合、エンドユーザーから見れば個人と個人でつながっているように感じるかもしれません。

しかし、実際にはそのやりとりはSNSのサービスプロバイダー経由で行われていて、メッセージの内容と登録された個人情報が紐付けられて蓄積され続けているのです。

ブロックチェーンの可能性

そして、サービスプロバイダーが蓄積している膨大なデータは、本人が知らないうちに他の目的に利用される恐れがあります。

つまり、インターネットの世界は中央集権化が進んでしまい、その問題が指摘されるようになっているのです。

このような状況から、エンドユーザー同士で管理者なしで直接つながるには、信用関係構築を自動化する必要があります。

そのような、非中央集権化したネットワークで個人をつなげるための基幹技術がブロックチェーンなのです。

論点2:ブロックチェーンのプロトコル

データ通信を行ううえでの手順や約束事をプロトコル(protocol)と呼びます。

ブロックチェーンのプロトコルを支える具体的な仕組みとしては主に2つ挙げられます。

「ハッシュアルゴリズム(hash algorithm)」や「コンセンサスアルゴリズム(consensus algorithm)」です。

ブロックチェーンとアルゴリズム

ハッシュアルゴリズムは、ブロックチェーンで用いられる暗号化の技術になります。

元になるデータから「ハッシュ値」という文字列を生成することが可能です。

ハッシュ値から元データを復元することは困難なので、偽造が難しい点に特徴があります。

このハッシュとはハッシュポテトのハッシュと同じで「細かく切れた値」という意味になり、データを復元できないことの比喩表現です。

コンセンサスアルゴリズムは、管理者なしのシステムで不正を生み出さないための考え方です。

ある取引が「正当なものか」「不正なものか」について管理者が決めるのではなく、そこに関わることのできる全員で合意して決めていく仕組みになっています。

 

不正を防止するインセンティブ

たとえば、ビットコインでは「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work, PoW)」という考え方を採用しています。

行われた取引を承認する段階で、取引の当事者以外の人が承認するのです。

この場合の承認とは、不正を行っていないかを確認することです。

確認は計算によって行われ、さらに競争原理の導入によって最も早く計算問題を解いた人が承認する権利を得て、報酬をもらえます。

ここにインセンティブが発生するのです。

承認のための確認計算を担当する人を「マイナー」と呼び、マイナー間の競争を「マイニング競争」と呼んでいます。

そして、確認計算にハッシュアルゴリズムが使われるのです。

論点3:ブロックチェーンを使ったアプリケーション

スマートコントラクトとOSI参照モデル

コンピュータネットワークの話をするときには、通信機能を階層(レイヤー)構造で説明するOSI参照モデルを使うと理解の助けになります。

OSI参照モデルには、7つのレイヤーが想定されており、エンドユーザーに最も近いものが「アプリケーションレイヤー」です。

アプリケーションレイヤーは、データ通信を利用した結果としてのエンドユーザーが享受する機能がイメージされています。

たとえば、ブロックチェーンにOSI参照モデルをあてはめたときの主なアプリケーションが「スマートコントラクト」です。

スマートコントラクトを使えば、仲介者や管理者の手を介さずに取引が自動的に実行できます。

 

取引を仲介する管理者手数料の問題

既存の商取引では、仲介者の存在が不可欠です。

たとえば、メルカリで商品を購入するときには、個人間でやりとりができるため、仲介者は意識されません。

しかし、実際にはメルカリのシステムが取引の信用担保という機能を担っているのです。

見ず知らずの人同士が、ネット上の取引で売買をトラブルなく進めるためには、信頼できるシステムの構築が必要になります。

取引は、購入者の支払った料金が出品者のアカウントに入金され、その対価として購入者に出品者から商品が送られることで完了します。

メルカリの売買システムは管理者により管理され、アップデートが必要なため、この点でメルカリ側が手数料を受け取る根拠が生まれるのです。

 

スマートコントラクトで手数料不要に

それに対して、管理者を介した従来の取引形態を革新するのがスマートコントラクトです。

スマートコントラクトは自動的に契約内容をブロックチェーン上に保存していきます。

そして、ある売買が成立しようとしたときに、出品者と購入者のそれぞれの履歴から適正な取引の可能性について情報を提供するのです。

たとえば、購入希望者の履歴に未払い案件が記録されていた場合は、出品者はその情報を閲覧することができます。

さらに、自動化を進めるのであれば、未払い履歴保持者には販売しない設定にしておけば、そもそも商品ページを表示しないことも可能です。

つまり、スマートコントラクトで、取引と実行、および取引相手の信用証明までを自動化できるわけです。

結果として、サービスのスピードと質が向上し、管理者に支払う手数料は不要になります。

論点4:ブロックチェーンと革新的ビジネスの傾向性

ブロックチェーンは管理者なしで個人間取引ができるため、将来の流通システムに大変革を起こす可能性があります。

しかしながら、成熟には時間が必要であり、現状ではまだ発展段階の技術であるのも事実です。

特にブロックチェーンを利用した仮想通貨を巡ってさまざまな問題が発生しているのはそのためです。

ここでは、可能性に満ちたビジネスにつながる3つの技術系統について、それぞれ未来へ向けた取り組みを確認してみましょう。

●ビットコイン継承モデル

ビットコインと同様に「通貨」としての可能性を追求するモデルです。

既存の紙幣や硬貨を代替するものとして、管理者である中央銀行を持たない仮想通貨を目指すのです。

ビットコインは、支払う側と受け取る側の双方が対応していれば、直接送金ができるため、手数料はほとんど不要で、両替の必要もありません。

ビットコイン継承モデルでは自由な決済が実現できるのです。

 

●ブロックチェーン拡張モデル

ビットコインの技術にスマートコントラクト機能を加えたもので、イーサリアム(Ethereum)はブロックチェーン拡張モデルの代表的存在です。

世界のインフラストラクチャーとなるべく、非営利の財団が運営しています。

マイクロソフト、インテル、KDDI、トヨタ自動車などの新しい通信技術に興味を持つ既存の企業は、商用利用を検討するため、イーサリアムアライアンスを結成しています。

 

●中央集権折衷モデル

ブロックチェーンの基本は分散型システムです。

そのメリットを継承しつつクローズドなネットワークで運用するものもあります。

だれでも参加できるネットワークでは、民主的である反面、取引の検証に時間がかかり処理が遅くなる傾向にあります。

そこで、検証時間を短縮するため参加メンバーを限定するのです。

これは、本来ブロックチェーンが持っている社会的意義には適合しない使い方といえます。

ただし、クローズドな参加者同士のニーズに合わせたカスタマイズが可能になるため、中央集権折衷モデルは高い需要があります。

たとえば、ブロックチェーン技術を国際送金に活用しているリップルは、国内だけでも60社、海外の金融機関を含めての多くの銀行が採用しているのです。

ブロックチェーンを使った革新的サービス事例

ブロックチェーンは、情報を記録する必要があるすべての分野で適応できる可能性があります。

そのため、潜在的な市場規模は国内だけでも67兆円、グローバル市場では300兆円規模ともいわれているのです。

以下に主な分野について挙げてみましょう。

なお、先進的なサービスですので実用性という観点からは厳しいものもあります。

金融サービス

決済・送金・為替などから、証券取引まで幅広く適応できます。

社会貢献などにも絡むソーシャルバンキングなどにも応用が期待されているのです。代表的なサービスとしては「veem」が挙げられます。

国際送金を仲介するプラットフォームの開発・運営をする会社ですが、特筆すべき点は送金手数料の安さです。

たとえば、ドルからドルへ送金する場合は15ドルとなっており、銀行口座間で送金が可能です。

 

●ポイントサービス

ECでの販売でセールの時期などには注文が集中するため、従来のシステムではサーバーに高い負荷がかかり、処理が滞ることがありました。

ブロックチェーンを使った分散処理システムでは、集中することがないのでスムーズな処理が期待できます。

買い物の際にはポイントは重要な要素であり、スムーズな処理ができなければ他店に顧客を奪われる可能性もあります。

この点を解決したのが、日立ソリューションズが展開する PointInfinity です。PointInfinityシステムは、1億5000万人分のポイントが管理できるキャパシティを持っているのです。

 

●商品流通サービス

食の安全を確保するにはブロックチェーンは最適なソリューションを提供します。

特に、トラッキング管理についてはアメリカの大手スーパーウォルマートの試みに注目が集まっています。

IBMの提供するサービスを利用して、輸入豚肉やアメリカ産商品の流通経路をブロックチェーンで履歴を残すのです。

たとえば、「その豚肉がどの国のどこで誰が生産したのか」「どのような経路で店頭に並

べられているか」を瞬時に確認することができます。

 

●愛情証明書発行サービス

スマートフォンアプリ「SoulGem」は、2人の愛情の記録をブロックチェーンに書き込みます。

この履歴は永遠に消えることがなく、改ざんもできません。

自分や相手の過去の交際履歴がすべて真実であると証明されるわけです。

実用性はともかく、ブロックチェーンの特徴を活かしたサービスといえるでしょう。

 

●認証サービス

アートの世界では真贋の判別が非常に重要です。

判別の際に、作品が生み出されたあとで、「誰がどの期間所有していたか」という履歴が重要な役割を果たします。

スマートフォンアプリ「VERISART」は、ブロックチェーンを使ったデジタルな証明書を発行します。

アート作品の真贋や所有権について匿名性を保持したままで透明性の高い履歴を明示することができるのです。

また、デジタルアートワーク向けには、複製のしやすさに対応した認証システムを持つ「ascribe」というサービスもあります。

 

●資金調達サービス

インターネットを使った資金調達といえば、クラウドファンディングです。

ただし、実際に資金を得られるまでには、それなりのハードルを超える必要があります。

手数料を支払ったり、プロモーションビデオを作成したりと、なにかと手間がかかります。

ブロックチェーンを利用した「Starbase」は、独自のトークン発行を支援するサービスです。

主催者側は出資を受ける代わりにトークンを発行しておき、出資者側にはキャピタルゲインとインカムゲインの両方の可能性がもたらされるのです。

 

●公共サービス

国家を挙げてIT化を推し進めるエストニアでは、すでにさまざまなインフラストラクチャーとしてブロックチェーンが採用されています。

たとえば、会社や土地の登記システム、株式会社の議決権の行使、医療記録など従来の紙ベースでは時間がかかりがちな行政サービスの時間が、劇的に短縮されているのです。

将来的には、ブロックチェーンを利用した証券取引所の計画の可能性もあります。

ブロックチェーンを使った革新的サービス事例

仮想通貨の要素技術として先行するブロックチェーンですが、その可能性は無限といって

もよいでしょう。

物理的に情報を記録して保管しておく場所をアーカイブと呼びますが、紙やディスクなどのメディアに記録しておくと劣化や消失の危険が伴います。

また、1カ所に集中させておくと、利用には便利でも、事故が起こった場合に全損する可能性もあります。

ブロックチェーンならデジタルデータかつ分散処理をするため、改ざんが難しく理想の記録方法といえるのです。

注目ランキング

RELATED
PURE DIAMOND COINS